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■ 活性炭のあれこれ 

活性炭とは
活性炭とは、石炭や、ヤシ殻などの炭素物質を原料として高温でガスや薬品と反応させて作られる微細孔(直径10〜200Å)(注:10Å=1nm)を持つ炭素材料です。
この微細孔は、炭素内部に網目状に構成されており、その微細孔の壁が大きい表面積(500〜2500m2/g)となりその表面に種々の物質を吸着します(図-1)。
ほとんどの活性炭は90%以上が炭素で、炭素の一部は酸素、水素との化合物となっています。灰分は原料固有の成分でNa,Si,K,Ca,Fe等が含まれています。よく精製された活性炭は、食品添加物、薬用炭として使用されています。

図-1 活性炭微細孔の概念図

活性炭の原料
炭素質の物質であれば活性炭の原料になりますが、それぞれの用途を踏まえた上で、適切な原料を使用することが必要になります。世界で広く使われている活性炭材料としては、木質(オガ屑、、木炭、木材チップなど)、石炭(亜炭、褐炭、無煙炭など)、やし殻、フェノール樹脂、石油ピッチ等が挙げられます。
活性炭の形状
活性炭の形状は下記のように分類され、用途、目的に合った形状を設定することが必要になります。
・ →粉末活性炭
・ →粒状活性炭 (破砕炭:図-2、ペレット炭:図-3)
・ →繊維状活性炭 (ファイバー:図-4、クロス:図-5、フェルトなど)
・ →特殊成形活性炭 (シート状:図-6、成形体:図-7、ハニカム状など)
図-2 破砕炭 図-3 ペレット炭
図-4 ファイバー状 図-5 クロス状
図-6 シート状 図-7 成形体


活性炭の用途
活性炭は、その吸着特性を活かして様々な用途で使用されています。

→液相用途 
浄水 (上水道処理、家庭用浄水器など)
廃水処理 (下水処理、産業廃水処理など)
脱色 精製(製糖工業、食品工業など)
医薬精製

→気相用途
空気浄化 (空気清浄機、ガスマスクなど)
脱臭 (下水、工場臭気処理など)
ガス分離 (空気中の窒素分離など)
溶剤回収 (アセトン等の有機溶剤の回収など)
タバコ用 (タバコフィルター用途)
自動車用キャニスター (揮発ガソリンの回収)

→その他
触媒、及び触媒担体
電気二重層キャパシタ用途


浄水器向け活性炭について
家庭用浄水器に使用される活性炭の主目的は、水道水中の遊離残留塩素、臭気、及び微量に含まれているトリハロメタン等の物質の吸着除去になります。これらの物質は、比較的小さい分子ですので、比表面積が大きく、かつ微細な細孔を持つ やし殻活性炭やそれを原料とした粉末活性炭成形体、繊維状活性炭カートリッジが適しています。
情報提供元 クラレケミカル株式会社